このインタビュー凄く読みたかったので毎度Captain Capの方に感謝!
GINOやっぱりかっこいいな。 影響されます。 君はFucking Awesomeの一番新しいライダーになったけど、加入を決めてジェイソン(ディル)に話したのはいつ? 最初にジェイソン(ディル)とアンソニー(ヴァン・エンジェレン)がAlien Workshopを辞めて新しいボードカンパニーを始めるってこと、つまりFucking Awesomeをボードカンパニーに拡張するってことを聞いたときは、すぐにこれはヤバいことになるぞってブチ上がったよ。なんとも表現できない感覚になった。FAはちょっとした起爆剤になるだろうと思ったし、スケート業界もそれを必要としていた。ずいぶん長い間、スケート業界は同じことの繰り返しだったからね。リスペクトされている彼らのような人たちが小さなカンパニーを始めたことが、すごく嬉しかった。 で、ある日撮影か何かをしていたついでにSupremeに寄ったら、そこにジェイソンもいたんだ。長いこと彼とは会ってなかったけど、そんなの関係ないんだよ。彼とは会えばすぐに昔と同じようになれる。そんな感じで店の前に座って話をしたんだ。Fucking Awesomeのことを聞いた時から、頭の片隅では「俺も参加したい」って思ってた。かっこいいし、小さいし、新しいし、それに他とは違ってる。(FAのライダーになるって話は)そのときSupremeの前で座って話してるときに出てきたんだ。俺は「やるぜ」って言った。自分の心の中で、自分のいたい場所はFAだって分かってたんだ。もし心でそう感じて、本当に心からそう思うんだったら、そうする以外にないんだよ。 ジェイソンとアンソニーと一緒にやれるのは最高だよ。特にジェイソンとは一緒にプロスケーターのキャリアをスタートさせたしね。始めてカリフォルニアに行った時は、ハンティントン・ビーチのジョン・ルセロ(Black Labelのオーナー)のところにステイしてたんだけど、初めて会ったスケーターがジェイソンだった。すぐに俺たちは友達になって毎日一緒に滑ってたよ。Black Labelの後は101にも一緒に移ったし、ずっと一緒にスケートしてたから、今また彼と一緒にやれるのは最高だね。正直もしジェイソンじゃなかったら、Chocolateを辞めることはなかったよ。まあキャリアのこの時期で、ちょっと新しいことをしたくなったんだ。 Fucking Awesomeってブランド名には「Fucking」が入ってるけど、それって最終的に問題になりそうだとは思わない? 明らかにそうなるよね。ジェイソンともそのことについて話をしたよ。ショップの中には「Fucking」って入ってることでFucking Awesomeの板を取り扱わないって店も間違いなくあると思うんだ。ショップにはキッズの親たちもやって来るし、親たちは「Fucking」なんて字は見たがらないからね。でも俺からすると、そういう部分も含めてFAはいいカンパニーだと思うんだ。ぶっちゃけ逆にアツいよ。そういうショップなんてクソ食らえさ。別にショプを攻撃するつもりもないけど、でもFAっていうのはそういうカンパニーなんだ。長いこと続けていくうちに、もっと利益を上げないとってなってくるかもしれないけど、でもZumiezみたいなチェーン店で売られるようなボードカンパニーじゃないってところが最高なんだ。シンプルにね。 ジェイソン・ディルとFucking Awesomeから、「Hockey」って名前の姉妹ブランドが立ち上げられることが発表されたけど、これって君がホッケー好きなのと関係あるの? いや、ないよ。ジェイソンから聞くまで知らなかったし。いい名前だよ。面白いし目立つ名前だ。みんな「は?ホッケー?マジで?」ってなるよね。嫌でも考えさせられる。最高だね。いい名前だよ。でも俺のこととは関係ないよ。俺自身ホッケーやってたりしたけど、でもそれは単なる偶然さ。 15年以上も在籍したChocolateをどうやって辞めたの? (辞めるのは)死ぬほど難しかったよ。誰も俺が辞めるなんて思ってなかったと思うし。俺が嫌になってたり、辞めたがってるなんて兆候も何もなかったしね。一度も問題なんて起きたことなかった。リック(ハワード)と話したんだけど、そのとき俺はフロリダにいたから会って直接じゃなく、電話で話をしないといけなくて、それは申し訳なかったし辛かったな。ジェイソンから「もう彼らには(辞めることを)話したのか?」って聞かれてた。ジェイソンもAlienを辞めた経験があったから、彼からアドバイスをもらってたんだ。彼らにとってもAlienを辞めるのがどんなに難しかったかってことや、泣きながらやったってこととかね。 俺は車のシートに座って、リックに電話したんだ。今自分の心がどこにあるのかってこと、自分が何をやりたいのかってこと、そしてもうどうすることもできないってことを話した。最悪だったのは、Chocolateの20周年と重なってしまったことだね。最悪のタイミングだよ。今年はChocolateが色々とたくさん動いていたときだったから、その時期に自分がそういう風に感じてるってことが、すごく嫌だったし本当に辛かった。 Chocolateの20周年イベントが終わってから移籍を公表したのは、そういう状況に配慮してのこと? それは当然だよね。そうするように頼まれたし、義務以上に俺もそうしたかったし。「ちょっと待って、いまは沢山やらないといけないことがある」ってね。リスペクトだよ。Chocolateが20周年を振り返るイベントをやってるときに、それをぶち壊すようなことはできないよ。俺だってその歴史の一部だったんだし。だからイベントにも出たし、行かない理由もなかった。リック、ミーガン、マイク、Girl/Chocolateのみんな、チコ、全員に感謝したい。長い間一緒だったし、彼らのことは本当に気にかけてるし、こんなに長い間ファミリーの一員でいられて本当に感謝してる。 君はあまりこのことを話してきてないけど、2000年代の半ばごろに刑務所に入ってた時期があったよね。そのことについて話してもらえる? 「Year Right!」の後から、急に物事が悪くなっていったんだ。最初は1ヶ月間、群の刑務所に入るくらいの話だったんだけど、そのすぐ後に別件で捕まって、刑期が4ヶ月間に伸びて、しかも州北部の刑務所に送られることになった。もう群刑務所のレベルじゃない。保釈されて裁判の手続きなんかをやってたんだけど、そういう手続きや判決を待ってるストレスで参っちゃって、全てのことに対して興味をなくしてしまったんだ。特にスケートに対してね。 「Nothing But The Truth(NIKE SBのビデオ)」の撮影の時も上手くいってなかった。俺はロングアイランドに当時の彼女と一緒に住んでたんだけど、俺が4ヶ月刑務所に行ったあとの猶予期間中も、俺たちは禁酒してはそれを破っての繰り返しだった。めちゃくちゃだったよ。スケートなんて全然できてなかった。一個の告訴がまた別の告訴を呼ぶって感じだった。もう自分が幽霊みたいになってたのは自分でも分かってた。州北部の刑務所に送られることが確定したとき、弁護士からは多分全部で2年くらい入ることになるだろうって言われたよ。その時、もうスケートのキャリアは終わったなと思った。そんなに長い刑務所暮らしの間に自分が何をしたらいいのか考えたね。商売とかそういうものを学ぶのか?それにしてもスペードとかカジノとかのカードゲームを一日中、2年間も続けるなんて気が狂いそうだ!って思ったよ。 でも州北部の刑務所に送られた後で、ショック・プログラムっていうものがあることを知ったんだ。海兵隊のブートキャンプ式の刑務所で、犯した罪が暴力的なものじゃなく、州北部に来たのも初めての場合、そこに入ることができるんだ。もしそこに入れたら、普通の刑務所でどのくらいの期間入る事になっていたとしても、半年のうちに家に帰れる。もちろん俺もそこに入ったよ。そしたらナイアガラの滝の近くのもっと北部の刑務所に送られた。40人くらいで兵舎の中に入れられるんだけど、すごく厳しくてさ。ちょっとしたミスでも罰せられるんだ。何か失敗をすると必ず地面に這わされて、何らかのエクササイズをさせられる。誤解しないでくれよ、もちろん体を鍛えるためなんかじゃなくて嫌がらせだよ。あるとき、朝のフィジカル・トレーニングの時間にちょっとしたことがあって、俺たち40人全員、凍ったガチョウの糞で覆われてる運動場を左から右、上から下って感じで30分間転がり続けさせられたこともあった。あれは楽しかったな!(皮肉) このプログラムを通して、謙虚でいること、自己実現、そしてもちろん、感謝することを学んだよ。それとこの6ヶ月間で、規則正しい生活ってのも学んだ。そこでは朝5時に起きて、2時間エクササイズして、朝食食って、それから仕事を3時か4時までやる。俺の仕事は倉庫の管理で、食材や掃除道具なんかが全部そこに収められてた。食材が届いたら、トラックから積み出して冷蔵庫にいれて、倉庫内を掃除する…とかそういうことをやるんだ。あの規則正しい生活はちょっと良かったな。それまでそんな生活なんてしたことなかったし、ちょっと調子良かったんだよね。自分が何をするのか、何をしないといけないのか分かってるし、ルーティンにも慣れるし。今までの人生とは違ってた。今まで経験したことのないものだったよ。 刑務所や更正施設に行く前は、酔っ払ってスケートしてたの? いや、酔っ払ってスケートなんてできないよ。たぶんずいぶん昔、20代前半のころなんかは、ビールを何本か飲んでから滑っても大丈夫だったけど、それでもめちゃめちゃ飲むってことはなかったよ。年を取るにつれて、酔っ払ってるときは板に触れさえしなくなった。ほんとよくないよ。しばらくシラフで身体の調子が良くても、また酒を開けてしまうんだ。そういうことを続けてると、せっかく何歩か前進しても、またそれと同じくらい後退してしまう。そしてしばらくすると、自分がただ前進と後退を繰り返しているだけだってことに気づくんだ。悪夢だよ。前進なんてしてなくて、ずっと停滞したままなんだ。板に乗れてると感じてたのに全然ダメだと感じたり、精神的に強かったのに、すぐに弱くなったり。そんな感じで生きるのはしんどいよ。両極端なんだ。最近はシラフでいるように心がけてて、健康を維持して板に乗ってるようにしてる。時々酒を飲みたくなる時も正直あるけど、色々大変な目に遭ってきたから、今は楽しんで酒を飲むことはできないし、また飲んでしまって自己嫌悪に陥ったりなんて無理だね。 君の写真やフッテージで、まだ世に出してないものとかってある? いくつかあると思うけど…っていうか、みんなFucking Awesomeのビデオが出ることを期待してると思うから、質問としてはそこに俺のフルパートはあるのか?ってことだよね?ボリュームのあるパートを作れたらいいなとは思うよ。でもみんなにはちょっと立ち止まって考えて、現実的になって欲しいな。俺だって自分のできる限りのことをやって、自分の目で見ても価値があると思えるもの、ジェイソンとアンソニーが見ても良いと思ってもらえるものを出したいよ。 みんなからフルーパートを期待されてる。みんな俺がキャリアのどの辺にいるのかを知ってるのに、それでもフルーパートのことを聞いてくるんだから参るよ。ネガティブな気持ちになってしまうんだ。なんでみんながそんなに高い期待を俺に寄せてるのか分からない。時々自分はただ、みんなをがっかりさせてるだけなんじゃないかって気持ちになってしまう。40歳になって思うのはさ、30代で素晴らしいビデオパートを出せるスケーターなんてほんの一握りで、特別なスケーターだけなんだよ。誰でも出来ることじゃない。だからそういう事は置いといて、ただスケートを楽しもうぜっていう。10分もあるようなパートを作る必要なんてないんだから、楽しんで、そこからベストなものを引き出そうよって思うんだ。 君はソーシャルメディアを使ってないし、インターネットやスケートのサイトもあんまりチェックしないって聞いたけど、どうして? ネットはもちろん見るよ。でもスケート関係はあまりチェックしていられないね。情報が多すぎるんだ。そういうのを見てもスケートに行きたいってならないし、むしろ板を放り投げたくなる。この話はもっと続けられるけど、この辺にしとくよ。とにかく情報が多すぎて、どうでもよくなる。最新情報とかは無視しておきたい。そうすれば自分のやりたいことをやれるからね。スケート雑誌は今でも好きだよ。タワレコ行って、ちょっとしたもん買って、スケート雑誌全部チェックしてっていう時代が懐かしいよ。今はコンピューターの前に座ってスクロールしてるだけさ!指が痙攣しちまうよ! スポンサーからInstagramとかTwitterを始めるように言われたことってない? あるスポンサーから言われたことはあるよ。彼らは断固として俺にFacebookとかツイッターのアカウトを作るように言ってきた。かなり嫌だったね。結局俺はアカウントを作らなかったし、うまく行かなかったよね。正直ちょっとあきれたよ。今の時代、それが求められることだなんてね。そんな時代になるなんて思ってもみなかった。さっきも言ったように、俺にとっては、そういうのは無視して飲み込まれないってのが最上だよ。それが助けになるっていうのも分かるけど、でも個人的にはやり過ぎだよ。やってられないね。俺はただ自分のことをやりたい。JENKEMは時々チェックするし、他にも面白いと思う、リアルだと思ってチェックしてるサイトもあるよ。でも色々見すぎちゃうと、板に乗りたくなくなってしまうんだ。そんな感じだね。 ナイキに在籍して10年以上になるけど、もう金銭的には一生安泰なの? 一生安泰?それは面白い質問だね。適当に言っちゃうけど、スケーターはまだ野球やフットボールや、バスケットボールのような給料のレベルには達してないよ。特に俺はね!最近はスケート業界にはたくさんお金が流れてるけど、その質問はポール(ロドリゲス)やステファン(ジャノスキ)には相応しいけど、俺向きじゃないね。俺も悪くはないけど。ナイキはずっと俺に良くしてくれてる。それは間違い無いよ! スケートや自身のキャリアの中でまだやり遂げたい目標とかってある? 自分の中では、やりたいと思ってる事やトリックがいつも何個かある。撮影したらかっこいいだろうなと思うトリックのアイデアとかね。でもスケートで何かを成し遂げるってことだと…自分としては自分の全盛期は随分前に終わったと思ってるんだ。でもそんな全盛期を持てたこと、カリフォルニアに住めたこと、Chocolateや101、Black Label、そして今はFucking Awesomeみたいな素晴らしいカンパニーのライダーになれたことを幸せだと思ってる。今は過去のことは過去のことで、自分の全盛期がもう過去になってるってことにも満足してるんだ。今は年をとって、単純にスケートを楽しみたいと思ってるよ。 若い世代がどんどんヤバくなっててさ、超うまいし超テクニカルになって、すぐにトリックを決めちゃうのを見てて、ちょっと苦しかった時もあったよ。恐くなってくるんだ。「うーん、俺はまだこの世界にいていいのか?俺はまだ通用してるのか?」ってね。でも時を経るにつれて、そういうもんじゃないってことに気付き始めるんだ。みんな個性があって、みんな何かを持ってる。40歳だろうと19歳だろうとね。14歳くらいのキッズは俺のパートを見ても何とも思わないだろうけど、それより年上の奴らは興味を持ってくれるかもしれない。誰にだって、何かあるんだ。 最近スケートで見たいのはそういうことかな。全部かっこいいって思いたい。何でもいいんだ。そういう風に考えるのって、自分が年をとって、ついていけなくなったからだと思ってたんだけど、でもそれって本当のことだと思うんだ。どんなことでもいいんだよ。ちょっと前に、友達からBones BrigadeチームのリユニオンがHouse of Vans(Vansのスケートパーク)であった時の映像を見せてもらったんだ。ケビン・スタブ、トニー・ホーク、ホソイ、ランス・マウンテン…みんなバート・ランプでスケートしてて超カッコよかった。彼らが自分のやることをやってプッシュし続けてるのを見て、一つ学んだよ。周りの人たちだけでなく自分自身にも感動を与えて、スケートボーディングに参加してハッピーでいること。そういうところをみんなはリスペクトするんだよ。俺もストリートスケートで同じことができると思うんだ。俺の身体がもつ限りね。もしスケートがカッコよければ、それが何であろうと良いものなんだよ。人々は理解して評価してくれる。それだけさ。それがスケートの最高なところだよ。
by taz-tokyo
| 2014-11-23 15:20
| 龍泉
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